そこに人の姿が見えるか

春風のように、AYUMI GALLERYの展示を終えました。

ご案内も出来ぬままでしたが、お出かけいただいた皆さま、

心待ちにされてくださった方々、お会いできなかった方々、

いたらずに大変失礼いたしました。

気にかけていただき、どうもありがとうございました。


近年の制作テーマは、「暮らしを優先する」です。

普段の生活のリズムを崩さないように、同じような時間に早起きして、同じようにご飯を作って、家を掃除して、よく寝て。近所の草刈りをして、町会に出て。

その健康な思考ができてから制作していくように心がけています。

やりたいことも多い割に、時間の配分がうまくいかず、ヤキモキすることばかりですが、

積み重ねていけば、今よりもうまくできるようになるかなと。

もちろん反省も多いので、また見直してよくしていきたいです。


案内の不十分な展示の中でも良かったことは、

展示に向けての器を制作しなかったところでした。

見せるために作ったものは、息荒く頑張ってしまいがちなので、家に帰ると大きすぎたり、立派すぎたり、よくばったり、なんだか似合わないことが多いような気がします。

偉いものもあっていいけれど、作りたいのは使いたい器です。


でも、案内の不十分な展示をするのはこれっきりにしたいです。

来年も5月の連休に展示を予定しています。

場所はAYUMI GALLERYから少し離れた一水寮 悠庵です。

お会いできるのを楽しみにして、また考え制作します。

どうぞよろしくお願いいたします。


展示を終え、福島から岩手、ぐるっと回って村上から新潟、

たくさんの漆に関わる方々、伝える方々にお会いすることができました。

一つモノを生み出すのに、どれだけのことを考えて、どれだけの人の姿を想像できて、

何度も何度も触ってたしかめて、よくできるか。

ひとりよがりで器を作らないように。