試験的漆教室 木地制作2

さて、前回の木地制作の続きです。

外側を挽いた木地は、型を基にして、内側を挽いていきます。


轆轤に設置してあるのが、内側用の「はめ木」

様々な径の違いに対応できるように、径の大きさと、深さ違いのものを

小刻みに何パターンも作っておきます。

このように、お椀の径に合わせてスポッとはまるような「はめ木」を使います。

この「はめ木」は山中式です。

同じ形を量産していくことに、大変適していると思います。

木地が薄く加工してもぶれることもないので、安心感があります。

ただ、図面通りに挽くには最良だと思うのですが、

内側を挽くときに、外側の形が見えないのが欠点です。

挽きながら内側、外側のバランスを見たい時には、

「はめ木」から一度外して確かめる必要があります。


内外の厚みのバランスを確かめながら挽くには、

このような高台内側、外側の径に合わせた「はめ木」を使う方法もあります。

これだと内側と外側の厚みのバランスを見ながら挽くことができるので、

形をつめやすい気がします。

ただ、薄すぎると木がブレてビビった挽き跡が残る場合があるので、

防ぐためにブレ止めの枠をはめる必要があります。

また、衝撃で外れる不安もあります。

「はめ木」は、その時々で使い分けています。

轆轤用の鉋は、ハイス鋼を加工して作ります。

鉋以外の道具も自分で作るものが多いです。

器の高さを決め

縁の厚みを決めます。

深さを決めて

型紙と、図面などを頼りに削ります。

型紙を頼りには作りますが、これは目安であって、

図面、型紙の形よりも、

器の内外のバランスや、感じる重さ、印象、

食べ物を持ったイメージが沸くか、

など、実際は感触を優先して作ります。

「なんか違うかな?」という違和感に気が付き、それを少し直し、

その、「違和感」がなくなるまでを繰り返して器にしていきます。

「違和感」に気が付ける状態でいられるのが大事なんだと思っています。


木地ができました。

さて次は漆作業に移りましょう。