四十にして

1月17日

少し前から意識をしていたこの日。

早朝から意気込んで、日が昇る前からジョギングをし、

黙祷をささげ。

さぁ頑張ろうと、一日木地を挽き、

身体がギシギシ痛むのを、筋肉痛と、仕事に無駄な力が入りすぎだと反省し、

家に帰り、風呂に入り、

娘が感染して間もないインフルエンザに感染してダウンした。

おまけに咳でぎっくり腰になり、動くことができなくなった。

高熱と、虚しさと、絶望感と、悔しさ。

ここ十何年、一日中寝ていたことなんてなかった。

3日間天井を眺めた。動けないのは情けなくもなる。


結局一家全員インフルエンザでダウンし、

家の中の色々なものが感染しているように感じた。

生活の中の、気が付かないようにしている汚れや、

整理されていない引き出しや、着なくなった服とか、

病原菌を具象化して、潜伏期間が過ぎるまで、少しずつ除去(掃除)していた。


潜伏期間も解け、

木地を挽くつもりが、制作の調子にはまだ戻れていない。

気分転換に久しぶりに外食しようと、

いつもは入らないで、景色として見過ごすお店で昼食をとろうとした。

とても食べられなかった。


40歳がこうして始まるとは想像できなかったけど、

今まで選択してこなかったことは、

信念をもってこれからも選択しないで行こうと。

強く感じた。


お店に限ってかもしれないけれど。

四十にして惑わず。

宮下智吉 漆の器

宮下智吉 漆の器