曲物の続き その2 曲げ〜接着編
先日の曲物勉強の続きです。
短期間の勉強なので、修行という表現を使ったら失礼になりますが、
職人さんを師匠と呼ばせていただきます。
自分が何かを学ぶ時には、師匠と、弟子の関係でありたいのです。
さて、
輪島の曲物の工程はおおよそ以下の通りでしょうか。
きっと、もっと工程にあげることのできない緻密な調整がたくさんあると思うのですが、
素人目線の自分が拾える工程は以下です。
材料の木取り⇨製材をする(幅、厚みを決める)⇨水につける⇨合口を成形する⇨型に添わせて曲げる
⇨木ハサミで止める⇨ねじれを直す⇨(内側に型をはめて)乾燥させる⇨接着⇨乾燥
⇨合口の内側鉋がけ(段差をなくす)⇨合口の外側鉋がけ(段差をなくす)
⇨底板(天板)を製材する⇨側と底板を接着⇨乾燥⇨面取り
⇨器の高さ(深さ)を仕上げ完成
曲げる数日前に水に浸水をしておいたものを、合口となる面を鉋を掛けて薄く製材します。
濡れた材に鉋を掛けるので、水分を含んでしまった鉋台が膨らんでしまいます。
台が膨らんだ鉋を扱うのには、こまめな刃の調整が必要です。
合口の面を順目に滑らかに鉋掛けをするのは、思った以上に上手くはいきませんでした。
合口がうまく作れていないと、曲げた際に均一に力が逃げずに、ゆがんだり、出っ張ったりする原因になります。
曲げて接着をした後にも、合口の出っ張りは鉋をかけて仕上げで成形するのですが、
形に沿って、内側外側同じほどの厚みにならないと、耐久性が弱いなどの原因になってしまいます。
曲げる形に合わせた、合口の長さと、傾斜(厚み)。
曲げた時をイメージして、力の逃がし方など考えて作れないと、
歪んでしまうし、無理な厚みで作った物は、使用していて痛みやすいものになります。
形に合わせて、どこに合口を持ってくるか、判断するのも経験ですね。
師匠の判断の速さに驚きます。
曲げる板の厚みを8厘にしました。
このくらい薄いと、アテは驚くほど簡単に曲がります。
曲げる型の形状によりますが、グリグリと型に押し当てて力を入れて癖をつけなくても、
曲がることに驚きます。
「曲がってくれる」と表現したい。
曲げて、合口外側の隅に木バサミで固定し、乾燥します。
素直に曲がると、歪みがないので内側に形をはめ込む必要がありませんが、
癖をつけるために内側に形をはめ込んだ状態で乾燥しました。
乾燥させる前に、歪みがあるので、手を押し当てて調整します。
歪みに気がつくか、それを指のちから加減で調整できるかで、
仕上がりが違ったものになります。
乾燥すると、ハサミをつけなくても形を維持しているので、
木の特性に驚かされます。
乾燥後、合口を接着をしてまた乾燥させます。
接着をしたら、合口の仕上げ調整をしていきます。
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