祭りの準備

集落の氏神様は、諏訪大社の分社なので、

分社ごとに地域ごとの御柱祭を行う。

諏訪大社の御柱祭から一年待って、建て御柱祭。

氏子にはなっていないけれども、

何かできることもあるかもと、興味半分、観光気分で手伝いに行ってみる。

上の集落に、下の集落、いつも人もそんなに見かけないのに、

こんなに人がいたんだと思うくらいの氏子の男衆。


足場を組んで、治具になる柱を建てて、縄を結んで。

6年ごとのお祭りなので、みんなうろ覚え。

記録には残さない参加して覚えるいわゆる伝承。手ならい。

人が集まり相談しながら形になっていく。


きっと現役バリバリの頃はいい腕の大工だったろう親方衆は、

丸太を淡々とマグロのように柵に捌き、静かに淡々と治具を作り上げる。


焚き火の火の番をする人。重いものを運ぶ人。ビールを振る舞う人。

高いところに登る人。見守る人。支える人。

ご隠居方は遠巻きに見守りながら花見。父ちゃんに連れてこられた学生。

冗談で盛り上げる人。掃除をする人。


なんやかんやしながら、みんな祭りの準備に向かっている。


ああだから一人でいくら頑張っても何もならないんだと。

強く感激した。

自分のことばかり好きなようにしていても何もならない。


祭りの準備を目に焼き付けておく。