独立とは

働くということ。

自分が思うに、独立するということは、

自分の好きなように、好きな環境にして生きるということでは決してなくて、

独立できるためには、自分の周りにたくさんの人(専門家だったり、協力してくれる人だったり、支えてくれる人、応援してくれる人)がいるということだ。

その人たちを喜ばせるための、楽しませるための、機会や居場所を作れるということだと思う。


自分一人だけの力はタカが知れている。

専門外の分野は、頑張ったところで、素人が頑張ったくらいにしかならない。

その筋の専門家や、経験者や、得意な人に頼った方がいい。

「その頼れる人が近くにいる」

「わからないことは、わかる人に頼れる自分でいる」

その条件が揃って、

「自分の得意分野を発揮できる。その居場所を作れる」

それが独立と言えるのだと思う。

稼げる、とか売れるとか、一過性のことではないと思う。


漆を続けさせていただいて、作家ってなんだろうと考えたりもして、

生意気な時もあったけど、ようやく自分一人では何もできないことがよくわかり。

作家業って、好きなことをして生きることではないと実感し。

自分が置かれている環境が、人との縁が、とてもいいのだと、常々思える。

ようやく?やっと?いや、まだまだだけど。

自分も独立が近いのかもしれない。


働けるということは、誰かから仕事をいただけるということで、

その人から声をかけられる信頼ができているということ。

その仕事ができるタイミンングであったという縁。

仕事ができれば、誰かは休むことができるし、

休むことができるのは、誰かが代わりに働いていてくれていうるという事なんだと。

お正月の休日に、楽しませてくれるために、働いてくれる人がいる。

考えるとグルグル回って、

世の中はたくさんの人のおかげで動いていると思うと、

働いている人、休んでいる人、どんな人も見え方が違って見える。

どんな方も、お疲れ様と思える。


元旦から、ビル風吹き抜ける中で金箔を貼る仕事。

声をかけていただいたのも嬉しいことだし、

元旦から仕事をしても嫌な顔しない家族であるのも嬉しい。

作業した後は良くなる。良くなれば喜ぶ人もいる。

どこかで誰かがワクワクできることに携われるなら、それは嬉しいことです。


本業は、漆の器制作。漆を通じてワクワクを伝えること。

おろそかにしないように、

展示や研究室や学校やワークショップなど、今年も目一杯伝えたい。