安比塗漆器の上塗りを勉強する
東京を離れ、岩手県安代八幡平市の安代漆工技術研究センターに来ています。
昨日まではとても天気が良かったのに、僕が来たら雪が降り始めたようで、
僕が寒波を連れてきたかのようにいじられています。
今回の目的は「安比塗漆器の上塗りを学ぶ」です。
安代八幡平市は、盛岡市内から北へ1時間ほど。
さらに北隣には、二戸市があります。
二戸市は、漆掻き職人が多く住み、漆植栽も盛んな浄法寺があります。
「安比塗」「浄法寺塗」としている塗師さんの多くは、
安代漆工技術研究センターで、漆の精製や下地から上塗りまでの手順を学んでいます。
もちろん違う所で学んだ方もいます。
「安比塗」「浄法寺塗」とありますが、お互い日本産の漆で仕上げていて、
下地の工程もほぼ同じです。
朱色や、溜の仕上げで、艶がなくマットで程よい。日本産漆特有の質感です。
どちらも変わりなく、普段使いに向けたいい漆器を提案してしています。
氷柱が長すぎです。
工房内から見た景色は氷の柵に覆われているかのよう。
センターの方々にご無理を言って、勉強する時間を割いていただきありがたいです。
本来研修は2年間なので、短時間で体験したことがすぐに自分に身に付くはずはありませんが
安比漆器の上塗りに対する意識、捉え方、方法論など。
自分が知り得なかった方法を学び、また伝えていきたいと思います。
雪深いこの土地で、工房に籠って漆を塗っている。
なんだかしっくりきます。
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