ナスビとそうめんの煮物

9月15日のお昼のおかず


金沢の郷土料理で、ナスと素麺の煮物があって、晩夏に良さそうなので再現する。

今では金沢ではオランダ煮とよばれるそうですが。

日本各地の郷土料理をまとめた古書「味のふるさと 金沢能登編」にも掲載されている。


本には、以下のように説明書きがあった。


 ナスを煮た後にそうめんを入れ、ふっくらと煮上げた一品である。
藩政時代、河北砂丘に面した高松で”姉さんそうめん”と呼ばれ、将軍への献上品ともなっていた、色黒でこしの強いそうめんが作られていた。
 盆の墓参客に、このそうめんを冷やしてふるまい、その残りで作ったのがこの煮物とか。
 今は、高松そうめんは生産量が少なく、影の薄い存在だが、この料理だけは、夏に欠かせないお惣菜の一品として親しまれている。
 手軽にできるのも人気の一つの理由だけに、作り方は極簡単である。
まず大きめの身のしまったナスビを選び、縦半分にし、川に浅く斜めの切り目を入れる。 これを、だし、醤油、みりんで煮含め、ナスビが柔らかになったら、心持ちかために茹でたそうめんを加え、味を含ませる。
 ナスビを煮た煮汁は、あとで煮るそうめんが汁をかなり吸うので、量は多めに、味も濃い目に仕立てる。
 ナス五個にそうめんを一束使う場合、だし二カップ、醬油二分の一カップ、みりん三分の一カップを目安に。

 ナスを最初油で軽く炒めてから煮てもよく、また、そうめんはゆでずに、乾燥品のまま煮込むと、汁にいくらかのとろみがついておいしい。


レシピの通りは醤油辛いので、控えめにした。

けれど、かつては冷蔵庫にも入れずに日保ちをさせようと考えても、夏の暑さにバテた身体にもちょうどいい塩加減なんだろうと。

ナスの味を十分に吸い込んだそうめんが美味しい。

郷土料理もその土地の風習、習わしに基づいた、残していきたい文化だ。